株式会社ライトウェル 製品&ソリューション情報

事例:住友重機械マリンエンジニアリング株式会社様

2008年9月 5日

事例:住友重機械マリンエンジニアリング株式会社様

システム導入により、正確な日程計画が1日で製作可能に

住友重機械マリンエンジニアリング株式会社(以下、SHI-ME)は、顧客の期待を超え続けることで、高い収益率を達成している造船会社だ。 顧客の期待の中には、厳しい納期要求に応えてくれるということも含まれる。 SHI-MEでは、ライトウェルが開発した「ブロック別生産日程管理システム」を活用して、短納期を実現している。詳しい話を伺いに行った。

お客様インタビュー

SHI-MEが目指す会社像

SHI-MEとは、どういう会社なのでしょう?
1897年創立の伝統のある会社です。創立には、榎本武揚(幕末~明治の政治家)が関係しています。 2003年に住友重機械工業から分社しました。あらゆるタイプの船を造っています。 業界団体の機関紙向けに原稿を書いた際に数えてみたら、2年に1隻の割合で世界初、または日本初といえる船を造っていることが分かりました。 最近は、オイルタンカーを収益の軸としています。

飯島正明様

造船会社はいくつもあり、世界レベルでの厳しい競争をしていると思います。その中でSHI-MEの特徴や強みはなんなのでしょうか?
ひとことで言えば、「顧客価値創造企業」であるということです。私どもは、「顧客の期待を超え続けて、社員がお互いに成長し続ける」というビジョンを掲げています。 これは口先だけでなく、実際に浸透していると思っています。具体的に言うと、年間に10隻程度しか船を造っていません。 この2年で30隻以上のタンカーを受注していますから、造れば売れるのは分かっています。 しかし、あえて建造隻数を絞るのは、お客様にフィットした船を造るには、今の隻数がベストだからと思うからです。 1隻1隻を丁寧に作るので、お客様の満足度も高くなり、リピートも多くなっております。おかげさまで高い利益率を達成できています。

お客様が満足される理由は、丁寧さにあるのですか?
それだけではありません。お客様の期待を超えることを意識して船を造っていると、今までにない用途や価値が見つかってきます。 以前は一風変わった船を造っていました。そのときに培った技術力を、今は量産タイプの船で新しい価値を実現することに注力しています。 その結果、世界の特定の地域では、どの会社のものより喜んでいただけるといったような船が造れます。 一味違った船を造るので、お客様に満足していただけるのです。

「ブロック別生産日程管理システム」とは
東出卓三様

お客様満足のベースになっている「ブロック別生産日程管理システム」とは、どのようなシステムなのでしょう?
船はブロックという単位で造ります。1隻のタンカーでだいたい150ぐらいのブロックがあります。 ブロック単位で、詳細スケジュールを作成し、それらを統合して、製造のマスタースケジュールを作成することができるのが、「ブロック別生産日程管理システム」です。 加工の3ヶ月前には、マスタースケジュールを作成しなければなりません。船に使う資材は特殊なものなので、調達に時間がかかるからです。 ブロックごとに組み立ててから、艤装品(ぎそうひん)という航海に必要な装備を載せて完成です。艤装品も含めて、すべての資材の納期を細かく管理する必要がありますが、困難を極めます。 手作業では不可能です。「ブロック別生産日程管理システム」は、資材の納期管理はもちろんのこと、資材発注の電子データまで出力してくれるので、私どもは非常に楽をさせてもらっています

「ブロック別生産日程管理システム」の効果
「ブロック別生産日程管理システム」の効果

具体的には、どのぐらいの効果が出ているのでしょう?
数値的に把握できる効果は、以下の3つです。
リードタイム(建造開始から完工までの期間)の短縮
計画策定期間の短縮
各部門での計画策定工数のゼロ化

リードタイムが30%短縮

リードタイムは、以前と比べてどれぐらい短くなったのですか?
以前と比べて、建造リードタイムが30%短縮されました。これを踏まえて、今後さらに25%の短縮を目標にかかげることになりました。 このような目標がかかげられるのは、私どもが生産工程にトヨタ生産方式の考え方を取り入れていることもあるのですが、「ブロック別生産日程管理システム」が私どもの生産方式にフィットした、柔軟なシステムということでもあります。

なぜ、そのような短縮が可能になったのでしょうか?
以前は「計画」と言っても、実はただの目安に過ぎないものでした。精度が低いので、工程と工程の間にバッファを取っていたのです。 大きく5つのステップの工程がありまして、それぞれに3日から5日のバッファを取っていました。最小の3日としても、全部で15日のバッファを取っていたのです。 それらが不要になりました。他にも同じようにしてムダをなくしていくことで、リードタイムの短縮が可能になりました。

計画策定期間が2週間以上から1日に

「ブロック別生産日程管理システム」を使うと、1隻の船の生産計画はどのぐらいで作成できるものなのですか?
船の種類が既存のものであれば、ほぼ1日で完了します。既存データが活用できるからです。新造船の場合は一から入力しますが、それでも1週間ぐらいでできます。

計画は何人で作るのですか?
一人です。

以前は手作業で計画を作られていたと思います。その頃はどのぐらいかかっていたのですか?
初版を作るだけで2週間はかかっていたと思います。精度が低いので、各製造部門にチェックしてもらっていました。その後手直しが発生します。 熟練計画者以外が作成すると、何度も手戻りするので、とんでもない期間を必要としていました。

今は手戻りはないのですか?
まずありません。それほどの精度で出来上がります。

各部門での計画策定工数がゼロに
田代英明様

各部門での計画策定工数がなくなったということですが。
以前は工程ごとの詳細計画は、10個ほどある製造部門で、それぞれ作成していました。今は、詳細計画も「ブロック別生産日程管理システム」で、一人の担当者が作成します。 各部門で計画策定に要した工数の実績値はありませんが、それなりに負担になっていました。 本来の製造の仕事に注力できるようになり、ストレスがなくなったと思います。 また、各部門で作成した計画を収集してから、調整していましたが、必要なくなりました。その分の工数も削減されたわけです。

「ブロック別生産日程管理システム」の特長

それでは、「ブロック別生産日程管理システム」そのものについて、伺っていきたいと思います。

シミュレーションで作業負荷の平準化ができる
シミュレーションで作業負荷の平準化ができる

どのようにして計画を立てていくのでしょうか?
一言でいえば、スケジュール表を画面上で作っていきます。#線(図では長方形)が一つの作業単位になります。 線と線は矢印でリンクできます。前後関係が崩れないようにするためです。線の長さは自由に変えられます。線を動かすと、画面の下にある作業量の山積みグラフも一緒に動きます。 この機能で、作業平準化のためのシミュレーションができます。また、資材の納入日一覧表が出てきますので、実際の生産過程におい##て納入日の早遅の確認も行うことができます。

進捗状況がビジュアルにわかる
進捗状況がビジュアルにわかる

進捗状況はどのように管理するのですか?
計画と実績の整合性を目で見ることができます。これは、生産重量のS字カーブですが、初期計画のカーブと重ね合わせながら、全体の整合性を判断することができます。 なお、生産重量は、他のシステムからデータとして取り込んでいます。

他の計画ツールにない柔軟性
他の計画ツールにない柔軟性

他のプロジェクト管理ツールでもできそうな気がしますが、見ていると少し違うようにも思えます。
線が1行に複数並べられるからではないでしょうか。1行に1本しか線が引けないとなると、ものすごく縦に長いスケジュール表になってしまい、見るのが大変です。 また、線を前後に動かしたり、長さを変えたりすると、後工程が勝手についてきたりして、マスタースケジュール全体が変わるツールがあります。 それではシミュレーションもしづらく、使い勝手が悪いのです。また、艤装のステージが5つあり、計画開始時には、自動設定されます。 ところが、いつもその通りとは限りません。柔軟性のないツールだと困ったことになるのですが、手動でも変更できるので、業務に支障がありません。

他システムとの連携が容易
牧野有紀様

他システムのとの連携についてはいかがでしょうか?
資材関係のデータを電子データとして出力できるので、発注システムと連携が容易です。 それだけでなく、発注データをすべて一元管理できるようになったので、納入管理との食い違いもなくなりました。

高い拡張性

拡張性という意味ではいかがでしょうか?
データベースの項目を見ていると、現状では必要のない項目が多いのです。 ところが、改めて他のシステムとの連携や「ブロック別生産日程管理システム」の機能拡張を考えると、必要になってくる項目だったのだなと気づかされます。

生産の全体像が見える

ほかに特長はありますか?
生産の全体像が見えるということでしょうか。具体的に言うと、前後に建造する船の計画をオーバーラップで見ることができます。 何かことが起こったときに、1隻の計画だけを見ていても、波及範囲が分からないものなのです。前後の計画が見えれば、それが分かり、有効な対策が打てます。

ライトウェルに期待すること

SHI-MEが今後、目指していくITシステムとは、どのようなものですか?
私どもは、現状に満足せず、さらにものづくりのやり方を変えていきたいと考えています。改革においてITシステムは基盤となるものです。 ところが、日々改革を継続していくと、システムの要件定義をしていたときと出来上がったときで、すでに運用の仕方が変わっているということが多々あるのです。 硬直化したシステムだと、このような場合に対応できません。現場が変化する足かせになってしまいます。 変化に強いシステム、進化できるシステムが必要です。

今後、ライトウェルに期待することはなんでしょう?
ライトウェルは、データベースシステムを構築する技術力はもちろんのこと、組み立て系の製造業の生産管理に関する事例と業務知識が豊富です。提案力もあります。 私どもが目指す柔軟なシステムがどうやったら実現できるか、これからも一緒に考えていってほしいと思っています。

お忙しい中、有り難うございました。

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設立:2003年
所在地:東京都品川区大崎二丁目1番1号(ThinkPark Tower)
主要取扱品目:船舶・海洋構造物の設計、製造、改造、修理等
URL:http://www.shi.co.jp/me/index.html

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